b23.  衛星通信地上局のモノポールアンテナのシミュレーションの試み                          de JA1CPA    2020/9/26 

 

衛星通信をできるだけ小さなアンテナと少ない出力で行うことを試みている人達がいます。(JO1LDY局,他少々)

これはHF帯などで行っているQRP通信にも通じるものが有ります。

当局が衛星通信を始めた1976年ごろはノイズと同等レベルの信号を耳S能力の鍛錬 注1)でカバーしてきましたが、今は受信機の革命的な性能向上で衛星通信が比較的簡単に行えるようになっています。

アンテナで一番簡単で小さいものと言えばモノポールアンテナでしょう。最近のアマチュア衛星に搭載するアンテナも1/4λモノポールが多用されています。注2)

一方、地上局では1/4λモノポールより小さいハンディ機付属アンテナの145/435MHz 17cm,14cm,4.5cm等を使って出力1W以下でCW通信を試みている人達がいます。

モノポールの場合はグランド(アース)が非常に重要で自動車の屋根に付けたり比較的低層のマンションのベランダに付けたり30階以上のマンションのベランダに付けたり、さらには1000~3000m以上の山の上からQRV(実際にはいないと思いますが!)したりで条件は大きく変わってくると思われます。

ここでは、MMANAアンテナ解析ソフトを使って幾つかのパターンでシミュレーションしてみました。

なお、MMANAシミュレーションでは通常の八木アンテナ等の左右対称の導線を使うことを想定していますが、ここではグランドが様々な状態を設定するために正常に動作しない場合(途中で動作停止)や誤動作で誤った結果が出ることがあります。

注1)ノイズは全ての音源を含んでいると言われ 聞き込むことによって「音楽に聞こえたり」「コールサインに聞こえたり」「599」と聞こえることがあったとか!

 

図1

 

左図はYラインがグランドで、そこから垂直に導線を伸ばし赤○が給電点とした435MHz 1/4λモノポールアンテナです。(太さφ4mm)

 

図2

 

 

左図は図1の放射パターンです。

435.0MHzでグランドが完全導体でモノポール長さ162mmの時にj0.077で共振状態、抵抗成分R35.262Ωでダイポールの1/2(約1/4λ)となっています。

ゲインは5.14dBiで、ダイポールの2.14dBiの3dBアップとなっています。

一般的にモノポールのグランドが完全導の場合はダイポールのエレメントが折り返して2倍のゲインとなって3dBアップとなると言われていますと,どこかに書いて有った。

 

 

 

 

 

 

図3

 

左図はエレメントの条件は同じですがグランドを10mの導線を100本を放射状に埋設したものです。

モノポール長さ162mmの時にj0.077で共振状態、抵抗成分R35.262Ωは変わって居ませんがゲインは4.15dBiとなって完全導体より0.63dB減少しています。

またパターンの最大値が仰角13.0°となっています。

 

 

図4

 

左図はエレメントの条件は同じですがグランドを10mの導線を4本を放射状に埋設したものです。

モノポール長さ162mmの時にj0.077で共振状態、抵抗成分R35.262Ωは変わって居ませんがゲインは0.61dBiとなって完全導体より4.53dB減少しています。

ゲインはグランドに大きく依存しています。

またパターンの最大値が仰角32.8°となっています。

 

 図5

左図はエレメントの条件は同じですがグランドを10mの導線を1本を放射状に埋設したものです。

モノポール長さ162mmの時にj0.077で共振状態、抵抗成分R35.262Ωは変わって居ませんがゲインはなんと-2.54dBiとなって完全導体より7.68dB減少しています。

またパターンの最大値が仰角35.2°となっています。

モノポールはグランドの形態によってゲインが大きく変わることが分かります。

 

注2)余談:キューブサットのモノポールのグランドはどうなっているのでしょうか。145MHzモノポールは特にグランド不足になっています。不足分はモノポール部分を長くして共振させると同時に給電点インピーダンスをオフセット効果により35Ωより高くしてマッチングさせています。アンテナは ikimono(生き物)です。

とにかく1/4λよりかなり長いエレメントをひたすら短く切って行くだ

                                    けでSWRが1.5以下になります。その裏で上記のように生きてます。

 

 

 図6

 

左図はモノポールを直接グランドに設置せずにある高さHmに長さ3mの導線棒(φ4mm)を±Y方向に設置しその両端を垂直にグランドに設置した状態でシミュレーションしました。これは自動車の一部を想定したものです。(面と線では全く違いますが)

ここで使うモノポールは14cmで少し短縮されています。その短縮した状態で共振させるために給電部に誘導成分(コイル)をいれています。

 

 

 図7

 

左図は図6のモノポールの給電部の高さ(Hm)を2mとした時のシミュレーションパターンです。

グランドに接する導線棒の太さはφ4mmです。

左側の円形の中心水平方向は上図の±Y軸方向です。

黒線が垂直偏波で赤線が水平偏波です。

±Y軸方向に強い指向性が出ていますが、それと直角方向にも指向性が出ています。

ゲインの最大は±Y軸方向で5.17dBiとなっています。

 

 

 

 図8

 

左図はモノポールの給電部の高さ(Hm)を2mとした時のシミュレーションパターンです。

グランドに接する導線棒の太さはφ20mmです。

左側の円形の中心水平方向は上図の±Y軸方向です。

黒線が垂直偏波で赤線が水平偏波です。

ゲインの最大は全軸方向で2.53dBiとなっています。

 

グランド導線の太さを変えただけでゲイン、指向性が大きく変化しています。なおグランド導線の太さはφ20mm以上にすると計算が停止します。

 

 

図9

 

左図はモノポールの給電部の高さ(Hm)を6mとした時のシミュレーションパターンです。

グランドに接する導線棒の太さはφ4mmです。

左側の円形の中心水平方向は上図の±Y軸方向です。

黒線が垂直偏波で赤線が水平偏波です。

ゲインの最大は全軸方向で6.96dBiとなっています。

 

グランド導線の高さを6mにしたらゲインとパターンが大きく変化しました。

なおグランド導線の高さを6m以上にすると計算が停止します。

  

以上のシミュレーションによって結論は出せませんが、グランドの高さと大きさによってゲイン、パターンが大きく変わるようです。

                      

 


 

2020/9/27

図10

 

左図はモノポール長さ192mm、モノポールの給電部の高さ(Hm)を2mとした時のシミュレーションパターンです。

グランドに接する導線棒の太さはφ20mmです。

左側の円形の中心水平方向は上図の±Y軸方向です。

黒線が垂直偏波で赤線が水平偏波です。

ゲインの最大は全軸方向で5.63dBiとなっています。

 

図11

 

左図はモノポール長さ45mm、モノポールの給電部の高さ(Hm)を2mとした時のシミュレーションパターンです。

グランドに接する導線棒の太さはφ20mmです。

左側の円形の中心水平方向は上図の±Y軸方向です。

黒線が垂直偏波で赤線が水平偏波です。

ゲインの最大は全軸方向で4.77dBiとなっています。

ゲインはモノポール長さ192mm比で0.86dB(15%)低下。

 

なおモノポール長さ20mmの場合は1.9dBiでした。パターンはほとんど同じ(これ以下計算不能) 

 

 


 

2020/9/28

図12

 

435MHz モノポールφ4mm,171mm長, グランド導体φ4mm,2m高さ,±3m左右長,

黒線が垂直偏波、赤線が水平偏波。

ゲイン:7.14dBi

 

 

 

 

図13

 

上記の図12のパターンの電流図、

グランド導体の水平部から青線波の電流が流れて水平偏波が出ているものと思われる。

グランド導体の垂直部から赤線波の電流が流れて垂直偏波が出ているものと思われる。

 

 

図14

 

435MHz モノポールφ4mm,171mm長, グランド導体φ200mm,2m高さ,±3m左右長,

黒線が垂直偏波、赤線が水平偏波。

ゲイン:7.37dBi

 

 

 図15 

 

上記の図14のパターンの電流図、

グランド導体の水平部から青線波の電流が流れて水平偏波が出ているものと思われる。

グランド導体の垂直部から赤線波の電流が流れて垂直偏波が出ているものと思われる。

 

図16

 

上記の図14の3Dパターン図(MMANA-GALによる)

 

以上のパターン図からグランド導体から一様に電波が放射しているように見えます。

と言うことは、高層階のマンションのベランダに設置したモノポールは、そのベランダを含む壁面からも電波が出ている可能性も夢ではないかも知れない。と言う珍説も?無いとは言えないかもかも?

 

 

                 

 

 

 図17

 

435MHz モノポールφ4mm,171mm長, グランド導体φ1000mm(φ1m),2m高さ,±3m左右長,

黒線が水平偏波、赤線が垂直偏波。

ゲイン:24.16dBi

 

グランド導体φ1mにしたらゲインが24.16dBiとなった。

MMANAシミュレーションも ついにご乱心か!!!hihi

MMANA-GALでシミュレーションしたら33dBiとなった!!!! 

 

図18 

 

上記図17の3Dパターン図(MMANA-GAL)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 


2020/9/29

YARI アンテナの検討?

 

図19

435MHz モノポールφ4mm×205mm長, グランド導体φ50mm×3m長,

 

YAGIアンテナは一般的ですが,

           これは YARI アンテナ と言いましょうか?。

 

 

 

図20

 

図19のゲイン:10.31dBi

50Ωにマッチングしている。

チョット考えられないゲインです。MMANAが暴走しているか?

 MMANA-GALでシミュレーションしたらゲインは 8.72dBi となった!

 

 YARI アンテナ

 

 

 

 

 

 

 

図21

 

図20の3Dパターン図(MMANA-GAL)

 

YARI アンテナ