まえがき
 アンテナの不可思議                                 2018/1改  de JA1CPA/中村
                                     

私はアンテナの専門家ではありません。

アマチュア無線用アンテナ(主にV/UHF)を本格的に作り始めて約12年になります。(2005年ごろから~)

特にアマチュア無線のアンテナは、古来から伝説的な言伝え(迷信?)?も有り、正しい知識を得るには作って確認するしか有りません。
しかし、作るほど「不可思議」が増えるばかりで、どれが正しいのか分からなくなります。
この「アンテナの不可思議」にとりつかれた、一人のハムが試行錯誤の繰り返しをしています。
シミュレーションの結果を現物で確認しても、しなかったりしても間違ったり、現物を間違えて作ったりします。
従って間違いも多々有ります。""勘違い""も多多有ります。
内容を出来るだけ正確にするために、断り無く随時追加削除変更します。
間違い等が有りましたら、ご連絡頂けると助かります。
    ja1cpaあっとjarl.com 
ここに掲載しているアンテナは、ほとんどがMMANA又はMMPCでシミュレーションしています。
しかしMMANAも万能ではありません。
セミフォールデットダイポール等、左右がアンバランスなラジエーターの シミュレーションをすると正確な値にならないように思います。
マニュアルには、不平衡を平行にして追加した部分のエレメント径を0設定する、となっていますが良い結果が出ません。
又他にも・・・・、シミュレーションを繰り返していると計算桁数が異常に多くなることが有りますが、「数字を丸める」機能で整理出来て正常に動くようになります。

さらに周波数が高くなって(特に1200MHz以上)波長に対してラジエーターのエレメント径が太いと誤差が大きく出るようです。
また、当局の操作違い、コピー違いも有ります。そのために出来るだけ現物を作って確認しています。
  
特に給電用の同軸ケーブルを接続する部分がシミュレーションより長くなり違った結果となります。そのためにエレメントを短くする調整が必要です。
特性変化が周波数の変化に対して緩やかに出来れば、寸法が変わっても特性の変化は緩和されますが、ゲインを高くすると周波数変化に対して特性の変化が大きくなり、結果的に僅かな寸法変化で大きく特性が変化します。特にエレメント位相式クロスアンテナは敏感に影響します。
(エレメント位相式と言う名称は、当局が勝手に付けた名称で一般的ではありません)

作る上での最大のポイントは、如何にシミュレーション通りの寸法に作れるかで決まります。
430MHz帯の場合は、±0.1mm、144MHz帯の場合は、±0.3mm以下の精度で作れれば、ほぼシミュレーション通りの結果が得られます。
430/144MHz帯のアンテナの場合は、600mm又は1mのノギス(中古品)は必要でしょう。
   
特性(特にSWR)については、使用できる帯域を狭くしても出来るだけゲイン等の性能をアップする事を目指しています。
たとえば、SWR特性は、ハイゲインアンテナほど低い範囲が狭く、さらに雨で濡れるとエレメントに水滴が溜まりエレメントが太くなったようになりSWR最低点が低い周波数に移動して、必要な周波数のSWRが高くなります。
特にエレメントが水平の場合は、水滴が多く貯まって特性が大きく変化します。

SWR最低点を少し高い周波数にしておけば雨の時は低くなります。その程度はアンテナ個々に違ってきます。
そのためも有ってメーカー製のアンテナは、SWRの低い範囲を極力広くして、雨の変化を受けても低く測定されるようです。

(そのためにゲイン等は低くなっているかも知れません)
  

アンテナの性能は周囲の影響を受けます。測定や使用状態は、アンテナゲインにもよりますが、フロンド方向で5~6λ以上、サイド、バックで1λ以上の空間が必要です。
ビーム系のアンテナは、真上に向けて測定すると周囲の影響を軽減することが出来ます。

またアンテナのインピーダンスが50Ω、リアクタンスがほぼゼロで有れば測定に使用する同軸ケーブルは任意長で良いですが、この2つが不明で有ったり調整や確認前の場合は、1/2λ整数倍電気長にする必要が有ります。(詳細は、ここに記述しています・・・・
     
ここで作って居るアンテナは、あまり耐久性は考えていません。また数多く作って居ませんので再現性についても考慮していません。当局の場合は、作っては分解し、の連続ですので1年程度使えれば良いとしています。(ブームに塩ビ管や木材を使っている場合はその典型です)
アンテナの廃材があふれています。ゴミ屋敷にならないようにしてますが・・・・・

 

このホームページに掲載したアンテナ等は,趣味として作って使うのは自由です。ただし性能を保証するものでは有りません。

全て自己責任でお願い致します。

 

ここで扱うアンテナ各部の名称について、2015/11/21
八木アンテナのエレメントは、その機能に合わせて、ラジエーター(輻射器)、リフレクター(反射器)、ディレクター(導波器)と名称が付けられています。
しかし、ここで扱っているアンテナでは、必ずしもその機能に該当しないエレメントが有ります。
そのために、その機能に相応しくない名前が付けられている場合が有ります。
もし違った名称等が有りましたら連絡頂けると助かります。
よろしくお願いします。   ja1cpaあっとjarl.com

☆材料の物理特性 2015/2/27

エレメントに使う金属は抵抗値が低い方が良いので実用的には銅及びアルミを使います。
真ちゅうが以外に悪いので、ラジエーターには銅または太いアルミが良いでしょう。

φ3またはφ4程度のアルミ棒またはパイプの素材は,できるだけA5052材を使っています。

ホームセンター等で売っているアルミ棒は純アルミが多いようです。純アルミとA5052材の違いは,硬さです。

純アルミ棒は柔らかくてエレメントに触れるとすぐに曲がってしまいます。A5052材は硬くて145MHzでもほとんど曲がりません。

 

A5052は,下記の通販で買っています。φ3×2000mm,単価200.-,運賃2500.-でした。(2018/5月,20本買いました)

株式会社 岩崎商店,大阪市中央区東平2丁目1番18号.tel 06-6761-5195, mail:iwasakis@theia.ocn.ne.jp
アルミニウム材料販売専門店,PC⇒ http://alumi-shop.com/,

φ3,φ4銅パイプは,A~Zで1m物を買っています。

 

絶縁物の誘電率は空気に近い方が良く、高周波的には数字が小さい方が良くなります。
メーカー製のV/UHFアンテナでは、ABS樹脂(型で量産すると安くなる)が多く使われているようです。

アマチュアは手加工なのでアクリルを使うことが多いですが、アクリルは脆くて割れやすいので、当局では割れにくいポリカーボネイト樹脂又は塩ビパイプ(硬質塩ビ樹脂)を使うようにしていますが、耐候性はあまり良くないようです。

 

★ 円偏波アンテナの軸比について ★  軸比モドキ(垂直・水平偏波の最大電圧、最小電圧のdB差)
ここでは、ブームに軸方向に直角のパターンの長短比を軸比(軸比モドキ)または長短差と記しています。2017/3/13
また、測定した値はアッテネータの値(dB)またはスペアナによる測定値(dBm)を記しています。

なお、このホームページに書いて有る結果については責任は負いかねます。

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まえがき おわり