d12. 436.5MHz 6エレメント摂動励振クロスアンテナの製作例(真円偏波ねらい)           2015/10/3

            せつどうれいしん

 旧ホームページ(ホームページ・ビルダー)から移植したので、不具合、文字抜け等が有りましたらご連絡ください。2017/11/15

 

・このアンテナは、マッチングケーブルや円偏波のための位相ケーブル等を使わずに円偏波※※1アンテナにして、50Ωの同軸ケーブルを直接接続できる欲張ったアンテナです。
このアンテナは、クロスするラジエーターの水平と垂直エレメントの長さを変えて、水平(垂直)エレメントを共振周波数より長くして誘導性にし、垂直(水平)エレメントを共振周波数より短くして容量性にして、90°近い位相を作って円偏波にし、誘導性と容量性をほぼ同じ値にして目的の周波数で共振させ、さらに水平と垂直エレメントの長さの差を付ける事によって結果的にインピーダンスが高くなる事が分かったので、この性質を利用してクロスする部分のインピーダンスを高くして、クロスする2つのラジエーターを並列接続で50Ωにして同軸ケーブルを直接 接続するアンテナです』

 

このアンテナは、円偏波の軸比を出来るだけ小さく(真円偏波ねらい)するようにしました。円偏波の検証しました。
そのためには、エレメント数の割にはゲインとF/B比をあまり大きくしないようにすると真円に近く出来ることが分かりました。

1. 外 観  
Y            Z


2. MMANAによるシミュレーション 
 ・特性表                 ↓ JAMSAT5005円アンテナの11dBi とほぼ同じ

            ↑ ゲイン、F/Bを控えめにすると円偏波の軸比が良くなる ↑
 ・アンテナパター、SWR特性等 ↓↓ 

    ↑ 自由空間 水平向け            ↑ 自由空間 上向け  軸比0.5dB

     ↑ 地上高 8m 上向け          ↑ SWRが割とフラットなので多少製作誤差が有っても
                            特性は変わらないと思いますが?

 

3. アンテナ寸法等   全面的に再検討しました

                                      ラジエーターのクロス部分の詳細は最下段に掲載しました。


 4. 作 り ま し た。(アルミブーム、アクリル樹脂絶縁)       全面的に再検討しました   


      同軸ケーブル出口 ↑


    ↑ クロス部は3tアクリル板で作ったが割れやすく少し強度不足。 

                        5tポリカーボネイト板(耐候性)が良いか?


   ↑ シミュレーションとかなり違っていますが、SWRはそこそこです ↑ 436.5MHz e長で測定

  ↑ 436.5MHz 任意長で測定               |Z|、R が高くなった。X がやや多い
シミュレーションと少し多く違っています。エレメント寸法、間隔等は間違い有りません。
ただし、ラジエーターがクロスする部分で、クロス中心から各3mm外側にするところを垂直エレメントが各4mm(間隔が
2mm広い)、水平エレメントが各2mm(間隔が2mm狭い)となっている模様です。とりあえずこのままにします。

 
 ・もう一本作りました。(3本目、アルミブーム、ポリカーボネイト樹脂絶縁) 2015/10/13





このアンテナの長短差を測定しました。
実測軸比∶1.6dB 2015/10/18


前記の2本より、
このアンテナが一番シミュレーションに近い特性です。
 
 
 
 
 
435MHz 6エレメントクロス八木を使って円偏波の回転方向を再確認しました。 2016/7/25~27 
 1. 送信アンテナ   ①エレメントをクロスしてブームの前後に1/4λずらして配置し同相給電した。
              ②右旋円偏波と左旋円偏波の切り替えは1本のラジエーターを180°変えた。
 2. 受信アンテナ   ①受信アンテナA:片側のラジエーターに1/4λ同軸ケーブル接続した。
              ②受信アンテナB:エレメント位相式(左旋円偏波のつもりだったが!)
 3. 測定値
①偏波が一致した時、
  受信アンテナA,Bが -39~-41dB
②偏波が不一致の時、
  受信アンテナA,Bが -51~-57dB
③偏波の一致/不一致の差 10~18dB
④上記の①②は各2回測定しほぼ一致した。
 
エレメント位相式の回転方向は当初
 左旋円偏波だと考えていたが上表の
 ように右旋円偏波だった。
 

上表の直線偏波(最大値)は6エレメント八木アンテナ(直線偏波)で参考値。  図1(左下)を改めて見て納得した。

 4. 回転方向  
 ↓  図1  フロント方向
   短エレメントと長エレメントが接するA点に同軸ケー
 ブルの芯線から短エレメントと長エレメントに
同相の
 電圧が加わると
短エレメントは容量性なので位相が
 進み、長エレメントは誘導性なので遅れて短エレメント
 と長エレメントの差は90°近くになる。
 (編組側も同様)
 ただし、短エレメント側と長エレメント側に電力を等し
 く2分して加えると長エレメント側の放射が強くなるので
 円偏波にするためには少し不均等にする必要が有る
 と考えられる。シミュレーションでは、これらを総合して
                              パターンの断面を真円になるように繰り返す。
                                            

 

436.5MHz 6エレ・エレメント位相式クロスアンテナ外観写真

436.5MHz 6エレ・エレメント位相式クロスアンテナ

ラジエーターのクロスする部分の詳細図

エレメント長はクロス中心からの長さなのでエレメント長は3mmマイナスすること。

 

 

 

 

 

 

 

            

                                          おわり