アマチュア衛星のビーコンを聞いてみよう                   2017/4/2   de JA1CPA 

1. ビーコン受信に必要なものは            アルカミアンテナ2の作り方はこちら
145MHz帯または435MHz帯用のアンテナ及びSSBが受信できる受信機が必要です。
435MHz帯のビーコンを受信するのであればアンテナは3エレメント程度の八木アンテナで十分です。
この小型のアンテナを手に持って大まかに衛星の方向に向けて周波数を合わせるだけで聞こえてきます。
受信機はケンウッドから出ているハンディ機TH-D74が十分に使えます。
他に145MHz帯及び435MHz帯用のやや古いオールモード機でも十分に受信することが出来ます。 

アルカミアンテナ(作り方等)はここに!

← 435MHz用3エレメント八木アンテナ。

    その他430MHz帯の3エレメント八木

                      等々             

 

 

← ← TH-D74

      144/430MHzFMハンディ機

      1.8~450MHzSSB/CW受信 

 

 

← FT-857D

 0.1~470MHzオールモード

   その他 FT-847  IC-910  IC-820 等々

2. こんなアンテナでも受信できます
アマチュア無線で使う144/430MHz用八木アンテナなどが有ればそのまま使えます。
アンテナがない場合は簡単なアンテナを作って聞くことが出来ます。
TH-D74付属のホイップアンテナでもビーコンを聞くことができますが、かなり弱く聞こえます。
ここではキッチン用アルミホイルとボール紙で作った437MHz 3エレメント八木を作ります。
このアンテナはラジエーターに接続されているケーブルは先端がSMA-Pコネクターが付いた同軸ケーブルRG-174/U(1.5D-2Vでも可)で長さ

約90cmです。
このアンテナのゲインは7.5dBi前後でTH-D74付属のホイップアンテナより明確にビーコンを聞くことができます。

3.こんなアンテナを作ってみよう

このアンテナはキッチン用アルミホイルとボール紙で作っています。受信するだけなのでこんなアンテナでも十分に聞こえます。

小学生が紙工作で作れます。アルミホイルとボール紙で作ったので

アルカミアンテナと云う名前を付けています。

このアンテナや4エレメント、5エレメント、145MHz3エレメントについては下記に詳細に記述しています。
437MHz 3, 4, 5エレ, 145.9MHz 3エレメント・アルミホイルとボール紙で作る八木アンテナ (アルカミアンテナ)
これでもほとんどの衛星のCWビーコンを聞くことが出来ます。
マンションのベランダに出て衛星が通過する方向に向ければ聞こえてくるでしょう。
なおこのアンテナは受信専用です。間違っても送信しないでください。
このアンテナは紙で作っていますので雨などに濡れないようにしてください。

4. 受信するために「どこに」「何時に」来るのでしょうか ?

インターネットで探すと、いろいろなサイトにいろいろな衛星のデーターが出ています。

ここではJAMSAT(ジャムサット) http://www.jamsat.or.jp/のホームページに出ているデーターを使います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JAMSAのホームページ トップ画面の「衛星追跡」をクリックします。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本地図が出ますので自宅に一番近いところの●印をクリックします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛星の一覧表が出ます。

この中で電波が比較的強く安定して連続的にビーコンを出している SEEDSⅡ CO-66 をクリックします。

 

← ビーコン周波数:437.485MHz (規定の周波数)

← コールサイン:JQ1YGU    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEESDⅡが自宅上空を通過する時刻、方角、仰角等の一覧表が出ます。

最初に(矢1)Peak Elev(最大仰角)が 20° 以上を選びます。

この表では 34.7° (最大仰角)を選びメモします。

次にその行の(矢2)Timeを見て夜中でなく受信できる時刻であることを確認して19:24をメモする。

次にその行の(矢3)Azimuth MEL  261° (最大仰角の時の方位角)をメモします。

 

メモ例

4月1日   JST 19:24      Az 261      El 34.7

 

 

5. ハンディ機(TH-D74)を使って受信してみよう ! 

TH-D74の設定は「バンドB」「USB」「FINE」「100Hz」にします。MHz台を可変する時は、「F」「FINE」「OFF」にするとダイヤルが20kHzピッチで変化します。

①ダイヤルを規定の周波数(437.485MHz)に合わせて、おおよその最大仰角 (仰角35°) 方位角 (方位260°)に向けて待ち受け (時刻19:24)します。

②その時刻になると「チッ」「チ-ッ」「チツ」と高い音でビーコンが聞こえて来るでしょう。
②聞こえ始めてからしばらくするとドップラーシフトによって音がビービーとなりプープーと低くなってきます。
③そうしたらダイヤルを左に廻して(周波数の低い方に)聞きやすい音にしてください。
④その後も周波数が低い方に移動して行きますのでダイヤルを左に廻して、常に聞きやすい音にしてください。
⑤アンテナはビーコンが大きく聞こえる方向と、ブームの軸を0~90°の間を回転させて大きく聞こえるところに動かしてください。

 これも時間と共に変動します。
ビーコンが断続している衛星は、切れている間にドップラーシフトで周波数が下がってしまうので受信しにくいと思います。

左表は比較的受信しやすい衛星です。

これらの衛星が毎日5~6回日本上空を通過します。
ここに掲載した衛星だけでも一日に30回以上受信する機会が有ります。(夜中も有りますが)
この他にも外国を含めて多くの衛星がビーコンを出しながら周回しています。
FO-29は他の衛星とくらべて高度が高いので少し弱いかも知れませんがCWビーコンを連続的に送信しているので受信しやすいと思います。

今は携帯電話で世界のどことでも話ができますが宇宙との会話は出来ませんhi。
この衛星のビーコンを聞いて衛星通信の入り口を覗いて見てください。
きっと新しい発見が有るのではないでしょうか。

 

 付 録

1. 初めて衛星のビーコンを聞くときは ! 

今まではドップラーシフトを考慮して衛星の見え始め(AOS)で規定周波数より5~10kHz高く受信するようにして(言って)いました。
しかし実際にアルカミアンテナを作ってハンディ機で聞いてみるとこれが意外と難しいことが分かりました。
当然 最大仰角(MEL)が小さい場合はドップラーシフトは少なく最大仰角(MEL)が大きい場合はドップラーシフトは大きくなりその違いは正確には把握できませんでした。
実際にやってみると後追いになったり先行したりで最大仰角(MEL)になってやっと受信できることもありました。
従って初心者の場合は見え始め(AOS)から受信するのはやめて最大仰角(MEL)から受信するようにすればドップラーシフトは考えなくても良くなります。

衛星がどの様なコースを通っても必ず最大仰角(MEL)で規定周波数になります。(規定周波数が変化している場合がありますが)
それならば受信機を規定周波数にしてアンテナを最大仰角(MEL)と方位(Az)にしておけば衛星の方から聞こえてきます。
また最大仰角(MEL)からであればビーコンも強い状態なので初心者の方でも十分に受信できるはずです。

 

2. アマチュア衛星とは
アマチュア衛星(以下、衛星と記述)はアマチュア無線の周波数を使ってCW(音声)ビーコン、交信の音声やデータの伝送をしている衛星です。
衛星の電波を受信するためには衛星が見える必要が有ります。
衛星は高度約400~1500kmのところを90~120分で地球を1周しています。
ほとんどの衛星はほぼ南から北に行く場合と、北から南に行く場合が有ります。
衛星が1周する間に見える(受信できる)時間は5~20分ぐらいです。
衛星の軌道や見える時刻についてはWebに衛星追尾ソフトとしてフリーソフトが幾つも有りそれを使ってパソコンに表示させるのが簡単です。

 

3. ビーコンの周波数は
衛星はアマチュア無線の使用区分に従って145MHz帯または435MHz帯でビーコンを出しています。
ほとんどの衛星のビーコン出力は約100mWが多いようです。
ビーコンの周波数は数年前までは435MHz帯が多かったのですが、最近は145MHz帯も多くなっています。
受信はSSBモードで受信します。
これはドップラーシフトのために周波数が変化するので受信帯域が広い方が受信しやすいためです。
ここに世界中の主な衛星の周波数等が出ています。http://www.dk3wn.info/p/?page_id=29535
 
4. ビーコンはドップラーシフトする
衛星から送られてくるビーコンの最大の特徴は衛星の移動スピードが電波の速さに対して無視できないほど速いので、 地上で受信する周波数が変化します。
衛星が接近してくる聞こえ始めは規定の周波数より高く聞こえ、近づくにつれて周波数がどんどん低くなり、一番接近した時に規定の周波数になります。
遠ざかって行く時は規定の周波数より低くなって行きます。
その変化量は衛星の高度、周波数や通るコースによって変わります。
435MHz帯で天頂(頭上)を通るコースの場合は±10kHzぐらい変化します。
例えばFO-29の場合は、規定周波数が435.795MHzですが、聞こえ始めは435.805~435.800MHzで聞こえて来て、
近づくにつれて低くなり一番近づいた時に435.795MHzとなります。
それから遠ざかって行って聞こえなくなる頃には435.790~435.785MHzぐらいになります。
従ってビーコンを受信する時は常に周波数ダイヤルを低い方に可変しながら聞くことになります。
 
5. 信号強度が周期的に変化します。
最近の衛星は直線偏波のダイポールアンテナやモノポールアンテナを搭載した衛星が多くなっています。
衛星はスピン(自転)によって信号の偏波が変化すると共にアンテナの指向性によって信号強度も変化します。
この変化は円偏波のアンテナで受信すると偏波による変化はかなり少なくなります。
しかし衛星のアンテナの指向性による変化は軽減出来ないと思われます。(この影響は比較的少ないはず)
従って直線偏波のアンテナ(八木アンテナ等)で受信する場合は数秒から数十秒の周期で信号強度が変化します。
八木アンテナ等の直線偏波のアンテナで受信する場合はブームを廻して衛星の偏波に合わせると強く受信できます。

 

6. 自動的に衛星を追尾するフリーソフト。

日本で代表的な衛星追尾ソフトは CALSAT32 があります。  

 http://jr1huo.my.coocan.jp/jr1huo_calsat32/index.html

 
参考資料
「アマチュアの衛星通信」日本AMSAT編
JA1CPAホームページ  はじめよう「衛星通信」
            https://ja1cpa.jimdo.com/衛星通信/
JAMSAT ホームページ  http://www.jamsat.or.jp/
HAMworld vol. 5     自作アンテナとTH-D74で人工衛星の電波をキャッチ(2016/12/15発売) 

CQ誌 2017/6月号      5Wで送信できるアルカミアンテナ2 84p 

DK3WNホームページ    http://www.dk3wn.info/p/?page_id=29535

            おわり